CBDはアルツハイマーをはじめとする認知症に効果があるのでしょうか。
CBDは認知症へ効果があるのか
結論からいうと、CBDは認知症の症状を抑えることができると考えられています。
カリフォルニア州のソーク研究所の研究により、CBDが脳細胞から認知症を取り除き、脳細胞間のつながりを増やすことがわかりました。
(参考:「ソーク研究所」)
CBDが認知症を改善する仕組み
CBDは以下仕組みで認知症を改善すると考えられています。
CBDが認知症患者の健康状態を改善する方法はいくつかあります。炎症を抑える、酸素の蓄積を抑える、脳を刺激して神経を保護する、認知症を含む脳の病気の原因と考えられている死んだ脳細胞やタンパク質のもつれを除去する、などがあります。
また、直接的な効果に加えて、認知症の方のストレスや不安を軽減し、記憶力などの脳機能の低下を抑制することも期待されています。
CBDは一般的に、不安、不眠、睡眠不足、さらには痛みの緩和に使用されます。CBDには、不安や興奮を抑える効果があることがわかっているので、認知症の高齢者でもこれらの症状を抑えることができると考えられています。
炎症を抑える
炎症は、怪我に対する体の自然な反応です。切り傷や傷口に周りは炎症を起こしますよね。しかし、神経の炎症は、さまざまな認知症に関連してきます。
例えば、アルツハイマー型認知症では、脳内にタンパク質の塊が蓄積します。これにより、脳の機能が長期的に低下します。その結果、体がその部分に炎症を起こして反応し、脳の神経伝達がさらに困難になる可能性があります。
酸素を保持する
酸素の蓄積は、脳の炎症と関係があります。脳組織が膨張すると、酸素が放出されます。つまり、炎症が強ければ強いほど、より多くの酸素が蓄積されるということになります。
脳内に過剰な酸素がたまってしまうと、脳の機能に悪影響を及ぼします。その結果、記憶喪失などの脳の衰えが起こります。酸素は体がストレスを受けたときにも放出されますが、これは認知症の高齢者によく起こる症状です。
記憶機能の低下を食い止める
認知症が進行すると、脳組織が実際に死滅し、機能が永久に失われます。このプロセスは、時間がかかる場合もあれば、非常に急速に進行する場合もあります。
CBDによって改善が期待できる脳疾患
ここまでで説明した効果により改善期待できる症状は様々あります。
CBDが効果を発揮する認知症関連の疾患は以下の通りです。
血管性認知症
血管性認知症は、脳への血流障害による脳の損傷によって引き起こされる、推論、計画、判断、記憶、その他の思考プロセスに支障をきたす疾患です。
血管性認知症を効果的に治療するためには、脳内のCB2(カンナビノイド)受容体を活性化することで、脳への良好な血流を回復させることができることが、米国国立衛生研究所(NIH)の2016年の研究で明らかになりました。
(参考:「米国国立衛生研究所(NIH)」)
CBDでCB2受容体を活性化することで、脳細胞の活動が活発になり、血管性認知症によく見られる脳細胞の損傷を抑えることができたとのことです。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症(LBD)は、α-シヌクレインと呼ばれるタンパク質が脳内に異常に蓄積される病気です。レビー小体と呼ばれるこれらの沈着物は、脳内の化学物質に影響を与え、その変化によって思考、睡眠、動作、行動、気分などに問題が生じることがあります。
CBDは、効果的な抗炎症剤となり、運動症状(振戦、硬直、徐脈)を軽減し、サーカディアン(睡眠)リズムを維持することが研究で明らかになっています。
アルツハイマー型認知症
CBDは以下作用により、アルツハイマー型認知症に伴う記憶力と運動機能の両方を改善します。
抗酸化作用
脳の免疫細胞がアルツハイマー病に関連する障害を取り除くことができないと、結果として炎症反応が起こります。冒頭で述べた通り、脳内で炎症が起こると、それに伴って酸素が放出されます。炎症が大きければ大きいほど、悪影響も大きくなります。
脳の細胞内でより多くの酸素が放出されると、記憶などの重要な脳機能が低下します。
進行を遅らせたり発症を予防する
アルツハイマー病患者の脳細胞は、急速な衰退し破壊されていきます。CBDの潜在的な利点として、脳組織を刺激する可能性が最近発見されました。
臨床試験では、CBDはアルツハイマー病の進行を遅らせ、さらには発症を予防する能力を示しています。
オーストラリアの研究者Tim KarlとCarl Groupによる2011年の研究では、CBDが脳細胞の成長と発達を促進し、記憶力などの脳機能の低下を抑えると報告されています。
思考能力や運動能力の改善
さらに最近の研究では、CBDが死んだ細胞を排除して認知機能を維持する役割を持つ脳内のタンパク質(IL-33およびTREM2と呼ばれる)のレベルを増加させ、原因となるベータアミロイドプラークの不具合を解消することを発見しました。
アルツハイマー病のマウスにCBDを定期的に投与したところ、マウスの思考能力が大きく向上しました。また、マウスの動作も改善されました。
パーキンソン病
パーキンソン病は、主に中高年の方が罹患する神経系の慢性進行性疾患です。パーキンソン病は、ドーパミンの分泌量の減少と関連しており、震え、筋肉の硬直などが特徴です。パーキンソン病の進行や症状の重さには、消化器系の不具合も関係していると考えられています。
前頭側頭型認知症/ピック病
前頭側頭型認知症(FTD)または前頭側頭型変性症は、脳の前頭葉(額の後ろの部分)または側頭葉(耳の後ろの部分)の神経細胞が徐々に失われ、うつ病や精神病の症状を引き起こす一連の疾患を指します。
行動、遂行機能、および/または言語の進行性の悪化を特徴とする疾患であり、行動変容型(Bv)では、抑制や強迫行為が特徴とされます。
上記の症状は、時に薬物療法が逆効果となる場合がありますがCBDはその副作用が起きづらく、行動変容についても効果がみられました。
ハンチントン病
ハンチントン病(HD)は、脳細胞が死滅する遺伝性の疾患です。初期の症状は、気分や精神的な能力の些細な症状であることが多いですが、進行すると全般的に性格の変化や注意力の欠如に加え、歩行が不安定になってしまいます
(参考:「マドリッド大学」)
まとめ
CBDと認知症についての記事は以上です。