- 大麻を合法化することでメリットはあるの?
- アメリカはなぜ大麻合法化を進めているの?
こんな疑問に答えます。
大麻の合法化と非犯罪化
合法化と非犯罪化は全く異なるものです。
マリファナが合法化されるということは、成人が合法的にマリファナを所持・使用できることを意味し、所持・使用による罰則を受けることはありません。
大麻合法化による経済的メリット4選
アメリカの特定の州やカナダなど、大麻を許可している国では、大麻を合法化することによる社会的・経済的なメリットが出てきています。合法化に反対する人もまだいますが、統計によると、合法化することで社会的・経済的に大きなメリットがあることがわかっています。
大麻合法化による経済的メリット:①政府の収入増加
これまでブラックマーケットにより取引されていた大麻(マリファナ)は当たり前ですが、政府の税収は発生していませんでした。販売者が利益を得ても、合法化された製品の場合のように政府には何の利益ももたらされないというわけです。
もし全国的に大麻が合法化されれば、何十億もの消費税が実現し、企業の税収、給与控除、雇用の増加、新しいビジネスベンチャー、小売店やそれにより借りられる不動産等様々な機会が増えるでしょう。たとえばアメリカで大麻が合法化された場合、政府には最大で100億ドルの新たな収入がもたらされると言われています。コロラド州では実際に、5億ドルの新たな税収を得ています。
大麻合法化による経済的メリット:②投資家の利益
大麻(マリファナ)が合法化されれば、大麻産業への投資家は大きな利益を得ることができます。栽培会社やマリファナ製品の小売店だけでなく、製薬会社も資金を得ることができます。
大麻合法化による経済的メリット:③法律期間のコスト・工数削減
マリファナの有罪判決によって起訴され、投獄された人々のために司法機関で費やされる費用・工数は膨大です。
もし大麻が合法化されれば、資金、裁判時間、刑務所のスペースが大幅に削減されるでしょう。法律上のコストが大幅に減り、税金が増えることで、新たな収入を教育や医療など、現在苦境に立たされている分野に充てることができるようになります。
大麻合法化による経済的メリット:④新たな雇用の創出
新しい産業が生まれると様々な新しい仕事が生まれます。
栽培施設、加工施設、小売店、流通など、いずれも労働者を必要としています。コンサルタントや副業の拡大も同様に拡大するでしょう。
大麻合法化による社会的メリット2選
大麻合法化により社会へ副次的に起こる影響についても報告があがっています。
大麻合法化による社会的メリット:①犯罪の減少
大麻が合法化されると、特定の種類の犯罪が減少するという研究結果が出ています。逮捕率が下がり、裁判沙汰が減り、その他の暴力犯罪も減るのではないかと考えられています。
犯罪が減るということは、大麻への対応に費やすお金が減り、他の分野の犯罪防止に使えるお金が増えるということなので、このメリットは経済的なメリットにも関係してきます。
大麻合法化による社会的メリット:②社会復帰を促す効果
マリファナを合法化することによって、今まで大麻の使用により罰されることを恐れていた人達が社会に復帰することが期待されます。
未成年使用や過去の使用で告発される恐れもないため、誰かに知られることを恐れずに生活し、仕事に就き、働くことができます。
大麻合法化による医療におけるメリット2選
医療用大麻の研究により現存する医薬品の代替品や、新たな治療法の発見が進んできています。
大麻合法化による医療におけるメリット:①医療大麻の価格が下がる
マリファナが合法化されれば、大麻を使った製品を購入する医療関係者にもメリットがあります。国内の多くの地域でマリファナが合法化されると、コモディティ化の結果、価格が全体的に下がる可能性が高いです。全体の税収や、利益の最大化を目指すマリファナ企業にとっては、都合が悪いかもしれませんね。
大麻合法化による医療におけるメリット:②治療における選択肢の拡大
昨今の研究により、大麻(マリファナ)には様々な効果があることがの効用があることが明らかになっています。
以下は使用されている代表的症例です。
疼痛の緩和
大麻(マリファナ)に含まれるカンナビノイドは、脳内の痛覚経路を変化させることで、痛みを軽減する可能性があります。これは、以下のような慢性的な痛みを引き起こす疾患の治療に役立つ可能性があります。期待されている症例は以下の通りです。
- 関節炎
- 線維筋痛症
- 子宮内膜症
- 片頭痛
また、食欲不振などのがん治療の副作用を最小限に抑えることができるかもしれません。
場合によっては、医療大麻が、悪影響を及ぼす可能性のあるイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用を代替するのに役立つと報告されています。
炎症の抑制
大麻(マリファナ)に含まれるCBDは、炎症を抑える働きがあると考えられています。具体的には以下のような炎症性疾患に効果があると考えられます。期待されている症例は以下の通りです。
- クローン病
- 過敏性腸症候群
- リウマチ性関節炎
神経的疾患や精神的疾患
大脳辺縁系に作用することから、医師は以下のような神経疾患や精神疾患の治療に大麻を処方することがあります。対象の症例は以下の通りです。
- 不安症状癲癇(てんかん)
- 多発性硬化症
- パーキンソン病
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- トゥレット症候群
- 睡眠管理
マリファナのリラックス効果は、不眠症などの睡眠障害の改善に役立つことがあります。また、マリファナの使用により痛みが軽減されると、睡眠の改善が起こることがあります。
しかし、大麻が持つ潜在的なリスクも同等に考慮する必要があります。以下に、主治医と相談すべき副作用をご紹介します。
アメリカが大麻を合法化した理由4選
アメリカにおける大麻合法化の動機の一つは、大麻を商業的に利用できるようになることで得られる経済的利益です。
アメリカが大麻を合法化した理由:①税収の増加
ここ数年、コロラド州とワシントン州では、マリファナの販売が予想以上に好調となっています。
2019年、コロラド州では医療用および娯楽用のマリファナにかかる税金や手数料として3億200万ドル以上を徴収しました。
Arcview Market ResearchとBDS Analyticsのレポートによると、米国での売上高は2019年に122億ドル、2024年には311億ドルに増加すると予測されています。
仮に大麻が連邦レベルで合法化された場合、経済への恩恵は計り知れないものになります。分析会社New Frontierのレポートによると、連邦レベルで合法化された場合は、2025年までにアメリカ全体の税収として1,056億ドルを追加で生み出す可能性があるとのことです。
アメリカが大麻を合法化した理由:②雇用の拡大
大麻が合法化されれば大麻農場や・薬局、製品工場など様々な施設が作られることになります。
これらの施設は、雇用を創出するだけでなく、マリファナ産業により、その地域の経済が発展するきっかけとなります。カリフォルニア州やネバダ州のように、すでにそのようなインフラが存在している州の場合は、この分野が成熟してきたことで、経済効果が確認されています。
RCG EconomicsとMarijuana Policy Groupのネバダ州に関する調査によると、同州で娯楽用マリファナを合法化することで、2024年までに41,000人以上の雇用を創出し、17億ドル以上の労働市場を得ることができるとされています。
14 ICFの調査では、マリファナの販売が合法化された結果、カリフォルニア州で少なくとも81,000人の直接的、間接的、誘発的な雇用が増加すると推定している。
ICF社の調査では、マリファナの販売が合法化された場合、カリフォルニア州で少なくとも81,000件の直接・間接・誘発性の雇用が増加し、総労働所得が少なくとも35億ドル増加すると予測しています
アメリカが大麻を合法化した理由:③投資マーケットの創出
国内だけでなく、海外の投資家の投資ポートフォリオの安定化にもつながる可能性があります。
公的な証券取引所で取引されている大麻関連企業の数はごくわずかです。投資家には店頭取引所を利用するという選択肢もありますが、大麻ビジネス分野で最も成功したビ企業の多くは、カナダやその他の国を拠点としています。
大麻が連邦レベルで合法化されれば、大麻企業は米国内のすべての取引所に自由に株式を上場することができます。
それによって流動性が高まり、より多くの投資家にアクセスできるようになります。近年のように大麻産業の成長率が高まれば、投資家たちは大麻産業に強い関心を持つようになるでしょう。
アメリカが大麻を合法化した理由:④取り締まりコストの削減
米国政府だけでも、現在、連邦政府による大麻の取締りには毎年30億ドル以上を費やしています。
アメリカ自由人権協会の2013年の報告書によると、大麻を合法化する州が増えれば増えるほど、取締りのコストは下がる可能性が高く、仮に大麻が国(連邦)レベルで合法化されれば、これらのコストは大幅に下がるといわれています。
大麻合法化によるデメリット
マリファナ合法化の潜在的デメリット
マリファナが合法化されると、車の違法運転が増えることが懸念されています。
例えばアメリカの50州すべてにおいて、処方薬やアルコール、その他の物質によって能力が低下した状態で自動車を運転することは違法とされています。違反者は切符代や罰金が発生するだけでなく、違反回数によっては懲役刑も科せられます。
コロラド州では大麻合法化後、死亡事故が62%も増加したという事実があります。
ちなみに全米平均と比較すると、マリファナを合法化している州では、12歳から17歳までの若者がマリファナを使用する割合が高くなっているとのデータもあります。
バイデン米大統領が大麻の所持者に恩赦。全米大麻非犯罪化へ
2022年10月6日にバイデン米大統領が大麻の単純所持者6500人を恩赦とすることを発表しました。
私達の大麻へのアプローチの失敗のために、あまりにも多くの人生が狂ってしまった。今こそ、この誤りを正すときです。
それでは詳しく解説していきます。
恩赦の理由
大麻により逮捕されてしまった前科を持つ人々の社会復帰が難しくなることが理由です。
具体的には就職や家探し、教育を受ける際に制限を受けてしまう点です。
その後の人生に大きなダメージを与えるには不釣り合いなレベルの行為という認識なわけですね。
スケジュールⅠからの移行とは
現在大麻はヘロインやLSDと同等の危険度の部類へ指定されています。
スケジュールにはⅠ〜Ⅴの段階があり、薬物の危険性や乱用に陥る度合いが高いほど数字が低くなります。
どのスケジュールに分類されるかはまだ未定ですが、この緩和によって大麻の医療への活用もますます進むことが期待されます。
まとめ
世界の動きとしては、大麻を合法化することに、大きなデメリットはないと考えてるように推察されます。
大麻を合法化することで得られる社会的・経済的メリットは大きく、健康面でのメリットや経済的安定性は無視できないプラスの結果をもたらす可能性があります。大麻を合法化することで、雇用や投資の機会を提供すると同時に、新たな税収基盤によって低迷している経済を復興するきっかけにもなります。
日本で完全に合法で使用できるCBDについても紹介していますので、よろしければ以下もご覧になってみてください。